こころのバリアフリー研究会 各位
佐藤光源 (理事長)
このたび世界精神医学会Jean Delay Prizeを受賞することになり、身に余る光栄と受け止めています。
今年9月にマドリッドで開かれる世界精神医学会の開会式で受賞しますが、Delay lectureは、これまでのResearch (Kindling, Reverse tolerance)の成果よりも、統合失調症への病名変更とこころのバリアフリーをとりあげ、Name change for schizophrenia updating concept(仮題)として日本の病名変更を紹介したいと思います。 Stigma because of the diagnosis of schizophreniaが、病気を体験した世界の人々のリカバリーを阻んでいる状況の中で、日本の試みが福音になればと思います。
精神医学ではschizophrenic patientからperson with schizophreniaとなり、schizophreniaが不治からリカバーを期待できる病気になって久しいのですが、社会的なイメージはまだまだ不十分です。病名を変え、回復可能な病気であることを普及啓発してきたことは、患者さんやご家族とわかり合って医療を進める上で、日本精神神経学会の画期的な試みであったと思っています。
今回の講演が、世界に向けたこころのバリアフリーの発信になれば幸いです。そして、本研究会の活動がさらに発展することを期待しています。
てんかんや精神病の病態解明に向けて長年にわたり研究をともにした多くの共同研究者と、病名変更に携わった当時のJSPN委員会委員の皆様に感謝しながら、代表して受賞して参ります。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
2014年7月18日更新